SBIHDの新生銀行へのTOBによる敵対的買収
「SBIHDが新生銀行に株式公開買付(TOB)による敵対的買収」というニュースが最近出てます。
大きなニュースですが、SBI証券で株式投資をし新生銀行のカードで現金を引き出す僕にとっては、両社とも身近に感じています。
SBIHDは新生銀行の株を現在20%保有していますが、約1,100億円を用意しTOBにより1株2,000円で買い取り、株を48%まで増やすと公表してます。
ここに至った背景は何なのか、確認してみました。
新生銀行の背景
新生銀行は、長期信用銀行と言われていた銀行で「超エリートの銀行」というイメージが昔ありました。
それが1998年に経営破綻し、国有化し何兆円かの公的資金が注入されたあげく、10億円で外資に買い漁られ、新生銀行として再生しました。なんかめちゃくちゃやってましたね。
その結果として国が現在20%ちょっと株を持っています。
そして7000億円を国に返すことになっているのに、未だに5000億円くらい返していないらしい。ひどい話です。
新生銀行は個人的には、コンビニで手数料無しで現金が引き出せるから良いんですけど、、、。
SBIHDの背景(思惑?)
近頃、地銀と資本業務提携をしていました。島根銀行から始まって8地銀の株をそれぞれ20%程度持ってます。
(地方銀行にSBIの金融商品を手数料ちょっと高くして売りつけることもできるでしょうし。)
で、今度は新生銀行を買収する、それも敵対的にという話で。
SBIHDは全国の地銀と連合して「第4のメガバンク構想」を描いており、メガ地銀構想の中核組織として新生銀行を考えているのではないかと見られています。
(新生銀行は300万口座があるので、証券口座もかなりあるからSBIが手に入れることができるのです。)
そして公的資金の回収か
金融庁もSBIHDに味方し、新生銀行から20年前の公的資金5000億円を回収したいのです。
国は公的資金5000億円を回収するのに新生銀行の株価が7500円まで上昇する必要があります。(長銀の簿価7,500円で国が株を買ってますから。)
現在の株価が2000円もいってないので、その乖離が大きいのでしょう。
SBIHDが大株主になれば経営改善ができ企業価値の向上で公的資金の回収ができるという思惑があります。(でもそんなに上がるのかなと、素朴な疑問です。)
20%ちょっと株式を持っている国と、現在20%持っているSBIHDがグルになっているみたいです。
SBIHDが48%の株を取得したら、国の株と合わせて3分の2以上ですから経営陣解任できます。SBIHDと金融庁OBが経営者になるのでしょう。
仲が悪いのかな
SBIHDは当初は市場買付を行い新生銀行と提携強化を図っていたわけですが、新生銀行はSBIと競合するマネックス証券と業務提携しました。
新生銀行はSBIHDは嫌いで、マネックスと仲良くしたわけです。SBIHDは強引だから嫌いなのかも。
新生銀行は、今回のTOBを「知らなかった。」と言ってます。
新生銀行の買収防衛策、ホワイトナイト
新生銀行はSBIHDの敵対的買収への対抗策としてホワイトナイトを考えています。ホワイトナイトが新生銀行の株式を買うことで、SBIHDの48%株式買収を阻止することができます。
ホワイトナイトの候補は3社あって、長銀の人脈でセブン銀行っと再生ファンド、金融事業を強化したいということでソニー銀行があります。もちろんセブン銀行も金融事業を強化する狙いがあります。
マネックス証券も出てくるのかな。
ホワイトナイトにSBIHDより高い価格で買ってもらうことになるので、買収合戦になるかもしれません。
新生銀行の買収防衛策、ポイズンピル
新生銀行は新株予約券を活用した買収防衛策の検討もしています。買収提案を受けた後に導入するので、「有事型」と呼ばれています。
株主総会で「企業価値の向上」のためだということを株主に納得してもらう必要があります。
既存株主の株数が増え希釈されますので、SBIHDが保有比率48%に達することができなくなります。
で、結局どうなるのか、新生銀行とSBIの株を持っていない僕は見ているだけです。
どんな結果になっても、新生銀行のコンビニATMの手数料無料サービスはやめないで欲しい。
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