今年の作柄と米価
農業法人のコンサルを行っていることがあって、お米の作柄や米価は注視しているところです。
農林水産省の発表によると、令和3年産の作柄は東高西低で、東日本は「やや良」~「例年並み」、西日本は「平年並み」~「やや不良」ということですが、最終的に豊作になる見込みで供給過剰になります。
供給過剰で過剰在庫という状態ですので、お米の価格は下がります。例えば、新潟県産一般コシヒカリは、60kg当たり1万2200円の買い取り価格で、前年より1,800円下がってます。
JAの買い取り価格は昨年より2,000円下がるそうです。
コロナ禍で外食需要が減少したため過剰在庫になっているところに、供給過剰になにもなるわけですから、価格は下がるのでしょう。俗に言う「豊作貧乏」というところですか。
過剰在庫と供給過剰を数字で示すと
大雑把な数字で示すと、
在庫量は:230万トン(昨年より30万トン増)
生産量:710万トン(減反したが供給過剰で20万トン減)
年間需要量:690万トン(コロナ禍で20万トン減)
翌年在庫量:250万トン(20万トン増)
翌年に在庫が20万トン増え、今より更に過剰在庫になることが見込まれることもあり米価は下がるのでしょう。
最貧国へのグローバルサプライチェーンは
最貧国など食料供給困難な国に過剰在庫となっているお米を30万トンくらい送れば、需給バランスが良くなり、米価は安定し農家は助かることになると思うのですが、、、。
政府は農家に補助金を供給することは考えるけど、グローバルなサプライチェーンを考えることはしないのかな。(「農家支援策は有害だ。」という国連報告もありますね。)
スタバのフードロスで言ってますが、貧困国の食料援助420万トンにさらにお米30万トン加えれば良いのに。
収益悪化とならない取り組み
国家政策を論じても仕方がないところですので、1農業法人がどうやれば収益悪化とならずにすむのか、提案してます。
先ずは、補助金に頼らない。補助金依存では、いつまでたっても自立した農業経営にはならないでしょう。そして、
1.お米は高価格で売れるブランド米にする。
普通のお米を作っている限りにおいては米価が下がればそれに引きずられて、販売単価も下げざるを得なくなってしまういます。高品質のブランド米になれば、販売単価を下げることはなく強気でいけます。高品質のブランド米になるよう取り組んでいくことが重要です。
2.お米の品質向上の取り組み
お米の品質向上には、お米を作る人が勉強しないといけない。土壌改良や肥料の与え方、研究することがあるでしょうから。(これは僕の専門外でわかりません。)
3.購買者にリピーターになってもらう。
高品質なお米になれば、多少高くても何度でも買ってくれる顧客ができるでしょうから、そういうリピーターを増やしていく。
こういう取り組みを行っていけば、国全体の過剰在庫や米価に影響されず、安定した農業経営ができるのでしょう。
コンサルとして言うことはできますが、実際に取り組んでいる社員は大変ですけどね。
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