背任事件の構図
この背任事件の構図を簡単に言うと、
「日大が附属病院建て替えのため設計会社と設計・監理契約を24億円で締結し、
その着手金7億円の内2.2億円が藪本医療法人前理事長容疑者のペーパー会社に送金され、
そこから6600万円が井ノ口理事容疑者知人のコンサルタント会社に振り込まれ、
そのコンサルタント会社から井ノ口理事容疑者に2500万円が手渡しされた。」
ということになります。
結局2億2000万円の日大資金が外部流出され、藪本医療法人前理事長、井ノ口理事容疑者の知人、井ノ口理事容疑者に分配されたわけです。更にこの先に分配されているとしたら闇は深くなりますね。
アウトなところ
プロボーザルでの業者選定
プロボーザル方式の業者選定がかなり恣意的に行われています。
大規模な建築物の設計にはプロボーザル方式で設計会社を選定することが通常行われています。
プロボーザル方式は企画競争入札とも言われており、提案内容、方針、実施体制、実績等含めて、総合的に業者選定が行われます。設計会社を特定するには、公平性、透明性、客観性を確保するため明確な評価基準が定められ、審査委員会を設置して提案内容を適切な体制で審査することになっています。
病院建て替えでプロボーザル方式により設計会社を選定したわけですが、選定経緯が怪しい。この選定をおこなった日大事業部の井ノ口理事が評価点を改竄したと言われています。完全にアウトな行為ですね。
審査委員会が機能しなかったのでしょう。審査委員会をやっていない可能性もあります。改竄に義憤を持った人が告発でもしたのかな。
契約金額の妥当性は、
設計会社は設計・監理業務を24億円で契約締結しています。10%近く別会社に送金してますから、契約額がかなり割高になっていたのでしょう。ニュースでは他の参加会社は10億円低く見積もっていたということです。妥当な金額はそんなところなのでしょう。
この設計会社は元々20億円で想定していたのを、日大の上限額の26億円まで上げるよう井ノ口理事容疑者の指示があったということです。選ばれた後に金額交渉により24億円で契約したことにしてます。
日大の上限額が設計会社にバレバレというのも笑ってしまいます。日大側の井ノ口理事容疑者が指示しているわけですから、何をか言わんやです。
設計会社と医療法人ペーパー会社との業務関係は、
設計会社は着手金7億円の内2.2億円を藪本医療法人前理事長関連のペーパー会社に送金しています。
この送金は何を理由とした送金なのかわかりませんね。業務履行の報酬として送金されたのでしたら、契約書、請求書があるはずですが、ニュースにはそういうことは出ていません。ペーパー会社ですから何もしていないのでしょうが。
おそらく「送金しろ。」という口頭指示があったのか。
ペーパー会社から井ノ口容疑者知人コンサルタント会社に振り込みは、
医療法人ペーパー会社から井ノ口容疑者知人のコンサルタント会社への振り込みも、口頭指示なのでしょう。
一応、不動産取引手数料とかアドバイザリー契約という名目はあるみたいですが、実態はないでしょうから。アドバイザリー契約という契約書は、偽装でしょうね。
捜査はどこまでいくのか、
2億2000万円という大きな金額が私的に流用されている可能性が高いから、徹底的に捜査してもらいたいですね。
捜査は、
1.井ノ口理事容疑者より上の人間の関与はなかったのか?
2.2億2000万円というお金の配分先はどうなっているのか。
ということでしょう。捜査の行方を期待したいところです。
政治力で、日和ることはないでしょうね。
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